人の心を動かす文章術

人の心を動かす文章術

メールやエッセイのような日常の文章を面白くするコツの本です。最近流行の、少ないページ数を厚い紙で印刷することによって、読者にさくさく読んでいる気にさせるタイプの本でしたので、気持ちよく読了できました。

いい本であるという評価が多いので期待していたのですが、確かに分かりやすく良書ではあるものの、ずば抜けて良いというほどでもなかったかな、というのが感想ですね。実践的なテクニックはいろいろ載っていますので、気が向いたら使ってみます。

ただ、「起承転結」を「予告・エピソード・展開・まとめ」と言い換えるのには深く納得しました。まず、予告で前振りをして、読者に受け入れ態勢を取らせ、次にエピソードとして出来事を語り、その後、展開として自分なりの意見を述べ、最後にまとめる。確かに、エッセイ的な内容ではこうした型になりますね。なるほど納得です。

それにしても、「起承転結」といい、書き出しで読み手を引き付けよ、というアドバイスといい、シナリオの教本に載っていることと同じようなことが書いてあるのが面白かったです。シナリオにせよ、私的なメールにせよ、読み手を楽しませるという根本は同じ、ということですよね。

ところで、この本では、よくある間違った日本語の例として、「理由は〜だからだ」というのを挙げているのですが、これってやっぱりおかしいんでしょうか……。「理由」=「〜だから」と考えれば、"=" を「は」に置き換えた「理由は〜だからだ」が僕の頭の中では収まりがよかったりします。言語は難しい。