未踏ソフトでゲーム分野を強化か?(スポーツ紙見出し風)

まだ IPA の Web ページ上では公開されていないようなのですが、「ESPer2006 秋の陣」で IPA の方が 2007 年度の未踏本事業の PM の一覧を見せていらっしゃいました。懇親会で確認した限りでは公表しても構わない情報だということですので書いちゃいますが、元マイクロソフト日本法人社長の古川さんや、サイボウズ・ラボの畑社長などが新たに PM に入られるそうです。そういえば、東大ISの石川裕先生も入られるみたいですね。

そして、何より驚いたのが、コーエーの執行役員である松原健二さんが PM に入っていらっしゃったことです。松原さんはコーエーのネットワークゲームのプロデュースをされている方ですが、JST の CREST の領域アドバイザーであったこともあり、この手の仕事が回って来やすい星の元にいらっしゃるのでしょうか。東京大学の大学院を修了後、日立製作所でスーパコンピュータのCPUを開発し、日本オラクルに移ってデータベースソフトウェアを手がけ、5年前にコーエーに入社 という少し変わった経歴が影響しているのかもしれませんね。ゲームプロデューサとしても立派に仕事をされているのは、信長の野望 Online や大航海時代 Online がきちんとサービスを続けていることからも明らかなわけですが。

さて、PM にゲーム業界の方が入る意義ですが、未踏であれば、利益度外視でソフトウェアの開発ができます。儲けに直結しないためになかなかコストをかけられないものの、あれば開発者を幸せにするようなソフトウェアのネタはいろいろあると思いますので、そういった案件が数多く採択され、成果が結実することを願ってやみません。

たとえば、ゲーム用のスクリプト言語とその開発環境とか……orz。

未踏って?

なお、未踏ソフトウェア創造事業は、自由なテーマで応募されたソフトウェアの提案について各 PM が審査をし、原則1年のプロジェクト期間に対して数百万から数千万の予算をつける事業です。国がらみの制度として破格なのは、予算が個人に対して降りることであり、独立した個人として、自分の人件費を費用として計上し、1年間開発に専念することも可能となります。また、採択に関しては各 PM ごとの裁量に任されており、個性の強い案件でも開発者に光るものがあれば積極的に採択されることも特徴です。

また、若い人材向けに、予算を300万円に抑える代わりに、採択の敷居を少し低くして多めの案件を取る未踏ユースという兄弟分もいます。こちらも今年から採択が二期制になりました。同時に PM も1人増えて3人体制になったとのことです。学生さんにはユースもオススメ。ユースのほうが採択者間の交流も活発な気がしますし。