Flash ベースのエンジン+Ajax ベースのシナリオ作成のノベルゲーム共有サービス

昨日のエントリにいただいたコメントで遅まきながら知ったのですが、「ノベラル」というシステムがあるのですね。

ノベラルとは、株式会社ポップリベラルの開発した、ブラウザ上でノベルゲームを作成・公開できるシステムです。 Ruby on RailsおよびFlash(ActionScript)で実装されています。 Ajaxを有効に活用したインターフェースにより、ブログのような手軽さでノベルゲームの作成・公開が可能です。ユーザは難解なスクリプトを覚える必要はありません。

とのこと。このシステムを実際に使っているものとして、「Sugar+Spice スピンアウト!」というサービスが2007年12月から開始しているようです。「Sugar+Spice!」というゲームのファンクラブの会員向けサービスで、ゲーム内の画像や音素材を利用してユーザが自由にノベルゲームを作成できるというものです。

シナリオ作成 UI のデモ動画がありましたので、以下に貼ってみます。

シナリオ作成 UI は、残念ながらファンクラブに入らないと体験できないようですが、作成されたゲームは自由に遊べるようですね。サイト上には機能紹介を兼ねたサンプルゲームがありますので、実力に興味がある方はお試し下さい。

シナリオ作成のヘルプを見る限りでは、昨日紹介した「まぜまぜのべる」と比較して、ノベルエンジンの機能としてはそれほど大きな違いはなさそうです。「まぜまぜのべる」でチャプターと呼んでいたシナリオの単位を、「リベラル」ではファイルと呼んでいるようですね。

一方、ユーザ体験としては、レンダリングのエンジンが Flash でできていることが大きな違いとなるでしょう。「まぜまぜのべる」の Ajax をベースとしたレンダリングでは、どうしてもリアルタイム性が低いため、プレイ中のさくさく感が大きく損なわれてしまいます。それに比べ、「ノベラル」のシステムでは、PC のネイティブゲームと比べても遜色ないようなゲーム体験を提供できているのではないかと思います。

ゲームメーカーが、自社タイトルの素材を提供した上で、二次創作ゲームをホスティングするというのも、広告手法の一つとしてなかなか面白い試みですね。ただ、自由なユーザ作成コンテンツの振興という観点から見ると、自由に様々な種類の素材を組み合わせて使用できる「まぜまぜのべる」のほうがより発展性は高いかと思います。

個人的には、「まぜまぜのべる」で「ノベラル」のFlashエンジンを採用すれば、ユーザとしてはもっともハッピーなんじゃないかと思ったりもするのですが、こればかりは京都創楽さんが自社のコアコンピタンスをどこに置いているのか次第でしょうか。会社の所在地的には、京大と東工大の仲がいいかどうか、みたいな話にもなりそうなのですが(笑)

追記: 自由にユーザ登録できる「ノベラル」を利用したサービスが昨日開始したようです

上を書いてから情報をいただいたのですが、「パープルソフトウェア・スピンアウト」というサイトが昨日オープンしたようです。「明日の君と逢うために」というゲームのファン向けの二次創作シナリオのホスティングサービスですね。こちらであれば、メールアドレス(フリーメール可)があれば、自由に利用できるようですので、興味のある方はぜひどうぞ。

このサービスの機能紹介サンプルゲームはこちら。やはり、製品クォリティの素材が自由に使えるのは、作成者のモチベーションを大きく上げますね。