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代替現実ゲーム "The Lost Ring" が日本を含むワールドワイドで始動

ゲーム開発 ARG

CNET Japan の記事(前編) (後編) で知ったのですが、"The Lost Ring" という ARG (Alternate Reality Game; 代替現実ゲーム) が3月より始動しているようです。しかも、日本語も含む8カ国語にローカライズされて展開しています。日本語で楽しめる ARG は初めてではないでしょうか。(追記: 日本でも2005年にAI/HAというARGが行われていたようです。詳しくはこちら

ARG とは何か、につきましては、4Gamer.net の奥谷さんの以下の記事が分かりやすいでしょう。

提示された謎を解くために、何ヶ月もの期間をかけて、色々なサイトに隠された情報を探したり、指示された場所に実際に出向いたり、時には示された電話番号へ電話をかけたりして情報を集め、また仲間と情報交換して、真相を推理して楽しむゲームです。一部の人には、「インターネット上やリアル世界に情報が転がっている PBM (Play By Mail)」とか、「現実世界で長期間遊ぶライブ TRPG」といった言い方をすると、雰囲気を分かっていただけるかもしれません。

プレイエリアを広げるには何かとコストがかかる ARG をこれだけ大規模に展開できているのは、スポンサーに国際オリンピック委員会とマクドナルドが付いたからのようですね。北京オリンピックのプロモーション企画ということのようです。どうやら、8月の北京オリンピックの閉会式に ARG のクライマックスが合わせられる模様。

Halo2 のファンサービスとして行われた "I Love Bees" のように、もともと ARG は予算の確保のために何かのキャンペーンの媒体という形を取ることが多いという特徴があります*1。今回はオリンピックという世界規模のイベントのキャンペーンと言うことで、史上最大規模の ARG となっているようです。

興味のある方は、http://www.thelostring.com/ へ。予告編のムービーと、各言語を代表する8人の登場人物の blog を読むことができます。日本人の「のりこ」の blog は日本語で書かれていますが、他の人物の blog は当然その国の母国語です。今回は、言語のギャップを乗り越えて情報収集する、ということが重要になってきそうですね。まだまだ断片的な情報しか出てきていませんが、これから徐々にユーザの行動を求めるような働きかけが出てくるのでしょう。ちなみに、分かりにくいですがトレイラームービーは2本用意されていますので注意。サイト内のメニューから見れます。

日本でも熱心なユーザコミュニティが出てくれば、多言語の情報を日本語に翻訳して提供してくれるようなまとめサイトが現れたりするのでしょう。今後の展開が楽しみですね。ちなみに、英語でよければ、もう充実したWikiサイトが稼働しているようです。

しかし、気になるのは、サイトに載っている日本語の端々で感じる直訳感。せっかく日本語で楽しめる初めての ARG なんですから、できればしっかりとしたローカライズチームでローカライズして欲しいものなのですが、果たして……。まぁ、予算も限られているでしょうし、日本語になっていることだけでも感謝して、ある程度は覚悟しておいたほうがいいのかも(^^;

また、どこかで紹介記事でも読んでこない限り、ひたすら導入が分かりにくいというのも問題ですよね。興味半分の人がいきなり公式サイトにアクセスしたとしたら、何も分からずにそのまま閉じてしまいそうです。ARG 自体が、ある程度のコア層向けのゲームであることは間違いありません。しかし、プロモーションとしての機能を持たせる気が本当にあるのだとしたら、(特にARGになじみの薄い日本では)もう少し丁寧な導入をしたほうがよいのではないでしょうか。リアリティとのトレードオフではあるんですけどね。

追記

丁寧な導入があるともっと参加者も増えるだろうになぁ、と思ったので、ゲーム内フォーラムに導入のスレッドを立ててみました。我ながら、ものすごくやらせ感が漂う書き込みですが、あくまでも私は善良ないち参加者です。

詳細はリンク先を見ていただけるといいのですが、現在、プレイヤー側が行う実アクションとしては、少しずつ提供される位置情報を元に、ヒント文章の隠し場所を探して、実際にそこまで足を運んで文章を回収してくる、というフェーズのようです。日本国内に隠された文章はまだ登場していませんが、用意はされていそうですね。

しかし、ヒント文章が全てエスペラント語で書かれているのがすごいですね……。

追記の追記

The Lost Ring の日本語 Wiki もできました。その後の状況についてはこちらのエントリへ。

*1:もっとも、それがゲームデザインの足かせになっていると主張し、書籍やグッズの売り上げで独立採算を試みるゲームデザイナもいるようです。