「カード探偵団」の楽しみ方

ようやく、「名探偵コナン カード探偵団」を楽しむためのプレイスタイルをつかめた気がしますので、メモしておきます。

1. まずはゲームデザイナを信じる

まずは、カード探偵団のゲームデザイナさんが、私たちを楽しませるのに十分な能力を持っていることを信じます。PBM でも ARG でもそうですが、運営側がプレイヤーたちよりも十分に優秀である、この人たちの手の上であれば踊る価値がある、と信じることが、その後のプレイを心から楽しむためのベースとなります。ここ重要。

今回のカード探偵団に関していえば、最初は、コナンのアニメで良くあるような、話を聞けばふーんと思う程度の犯人と動機かと思っていました。しかし、最近になって、そうではなくて、どんでん返しが何か仕込まれていそうな予感がしてきました。提示されている情報のいくつかが、素直に解釈すると矛盾しているためです。

しっかり情報を分析すれば、その先に何か他の人が気づいていないことが隠れている、と期待を持つことが大事です。

2. カードを入手する

何はともあれ、一番の基本となるのはカードです。カードのレアリティは5段階に分かれていますが、もっともレアな紫カードはコレクター向けに用意されているおまけですので、必ずしもコンプリートする必要はありません。上から2番目の青と、3番目の緑がだいたい揃っているくらいまで集めることが重要です。

もしも、近くにいる友だちと一緒に遊んでいるのであれば、みんなで合わせて青と緑が揃えばそれで問題ありません。

およそ、合わせて30パックも買えば、それなりには集まるかと思います。40パックも買ったらネット上の議論に追いつくには十分でしょう。青と緑の一部で、抜けていると重要な情報が足りなくなるカードが何枚かありますので、できれば誰かと交換して、せめて緑はコンプリートしておきたいところです。

3. カードに書かれたパズルを解く

毎朝10時ころに送られてくるヒントメールは、バックグラウンドストーリーであるR事件を解くためには必須の情報です。ヒントメールは(おそらく)解いた枚数か、探偵ポイントに応じて送られてきていますので、最低でも友だちの中の1人は50枚程度は集めて、解いておく必要があるでしょう。

パズルを解くのをメインの楽しみにしても良いくらいいろいろな問題がありますので、存分に楽しんで解いてください。なお、問題の答えを直接ネット上で教えるのはタブーとなっていますので、友だちや家族、同僚と一緒に悩むのがよいかと思います。

しかし、カード探偵団の本当の楽しみは、パズルを解いた後にこそあります。100枚のパズルは入り口であり、R事件の真相へたどり着くための足がかりでしかないのです。

4. R事件の犯人を推理する

このゲームはプレイヤーに超目標(最終的な行動目標)が提示されないなぁ、と不満に思っていた時もあったのですが、名探偵コナンのゲームなんですから、やっぱり犯人を推理することが全てなんですよね。推理して解決パートに進む前に正しい犯人を当てること、それ自体がプレイヤーへのご褒美なのでした*1。それにようやく得心しました。

R事件とは何かは、かなり早い段階のヒントメールで提示されます。この事件の犯人は誰か、そして、その動機は何か、を与えられた断片情報から推理する、というのが「カード探偵団」のもっともコアとなる楽しみです。

カードの裏に書かれている情報と、それらやヒントメールで案内される Web ページに書かれている情報を付き合わせて、登場人物の素性と人間関係を推理し、そこから経緯と動機を推理します。

情報収集の過程では、時には電話をかけないといけなくなることもあるでしょう。また、ただのパズルだと思っていたカードの表面の問題に、別の謎が絡んでいることに気づいてハッとすることもあるでしょう。気になった名前をネット上で検索したら思わぬ情報に行き着くこともあるかもしれません。

なお、推理をさぼっていると、ヒントメールにて、名探偵コナンの登場人物が、遠慮仮借は全くなしにバリバリと謎を解いていってしまいます。時には、ヒント情報を出した数日後に、それから導かれる答えが送られてきたりすることもあります。しかし、それに憤るのではなく、彼らが推理を送ってくるよりも早く自分で正しい推理をすることに情熱を燃やすのが、このゲームを楽しむコツと言えるでしょう。

5. 自分の推理を他の人と議論する

1人で推理しているだけでは行き詰まってしまいます。そんなときは、他の人たちと議論しましょう。友だちで他に遊んでいる人がいるならば、その人たちと議論するのも良いでしょう。できれば、4〜5人以上いると、いろいろな意見が聞けるので面白いと思います。

新聞記事からメモ書きまで、様々な形で情報が提供されています。人物の名前や関係、出来事の日付などを整理して、真実はどこにあるのかを議論しましょう。

ヒントメールは一定数受信すると、あとは1〜2日に1通ずつ送られてくるようになります。このヒントメールの進展に応じて、カード探偵団用に仕込まれた Web ページの内容も少しずつ変化します。新しく得られた情報を用いて、議論をさらに洗練させていきましょう。

もしも、近くに議論する相手がいないのであれば、インターネット上で議論できるコミュニティを探すという手もあります。直接はリンクを張りませんが、少なくとも、mixi 上と 2ch、あとはキャスフィなどに、それなりに活発に議論しているカード探偵団のコミュニティが存在しています。なお、ネット上のコミュニティに参加する場合は、くれぐれもパズルの答えを直接求めてはいけません。それぞれの場のルールに従いましょう。

実は、この皆と、あーでもない、こーでもないと議論している時間が一番楽しかったりします。様々な仮説を立てては、新たに明らかになった情報で一喜一憂する、それが「カード探偵団」、ひいては ARG というジャンルのゲームの楽しみ方です。


以上、みんなで悩みながら推理するゲーム「カード探偵団」を楽しむ方法でした。よい議論を!


追伸: 年寄りの繰り言のようなもの

「カード探偵団」は、名探偵コナンという探偵作品のゲームということで、1つの連続殺人事件の犯人捜し+αに、ゲーム中の全ての謎要素を担わせていますが、こういうスタイルはわりと特殊だと思っていただいた方がよいのではないかと思います。

だいたいは、もっと複数の事象や、複雑怪奇な設定が入り乱れていて、何を推理するかを議論するだけで話が発散していってしまうようなゲーム (ARG, PBM) が多いかと。

カード探偵団のスタイルはこれはこれで、シリーズ化できそうで面白いやり方なんですけれどね〜。

*1:もしかしたら、犯人を当てると景品がもらえるかもしれませんけれど