モデル検査のセッション@CEDEC

セッション概要が公表されましたが、今年の CEDEC (CESA Developers Conference) にて、「モデル検証入門〜ツールに振る舞いを検査させる〜」というセッションが「CEDECラボ」の1つとして行われます。

「CEDECラボ」は、ゲーム研究などの学術界と、ゲーム開発の現場をもう少し近づけることを目指し、今年の CEDEC から導入されたセッション群です。特に、初回である今年は、開発の現場に関連のある情報を提供しないと意味がない、という強いポリシーの元に講師の選定が行われたはずですので、「外れ」率は通常セッションと比べてもさらに低く抑えられていると思われます。*1

「モデル検証入門」のセッションも、ゲーム開発への適用方法のヒントも示していくような形での講演内容となるようですので、ゲーム開発へのモデル検査の導入のよい導き手となるかと思います。実は、微妙に噛んでいるので、できる限りそういう方向になるように努力したいと思います(^^;

モデル検査は、最近は組み込み系の方でも徐々に流行ってきているようで、カンファレンスなどでセッションがあったりもするのですが、ゲーム開発向けに紹介されるのは今回がおそらく初めてだろうと思います。適用可能な範囲は限定されますが、ばっちりハマる応用では、大きな効果が期待できる技術です。

特に、ゲームのシナリオ遷移を思いっきり複雑にしようとしたら、上司にそんなのデバッグできないと思いっきり怒られた経験のある方、もしくは、思いっきり複雑な AI の状態遷移モデルを作成したら、思いっきり悪い状態にハマって NPC が立ちんぼになってしまった経験のある方は必聴です!(居るんだろうか……)

ちなみに、ツールで解析という方針自体が最近流行っているのか、似たような話として、今度、PPLサマースクールで 〜今日から使える!みんなの静的解析・バグ検出ツール〜 というものもあるそうです。こちらは Fail-Safe C や Coverity のツールなどの紹介ですね。なお、こちらの解析は(おそらく)型推論的な手法をベースとしたものとなりますので、総当たりをいかに軽くやろうかというモデル検査とは方向性が違います。

それにしても、今回CEDECで講演をしてくださる本位田研の石川先生は、自分の学科の同期だったりするわけですが、世の中どんな縁の繋がり方をするか分かりませんね……。最初に聞いたときにはびっくりしました。でも、おかげで安心してお任せできます(^^)

*1:過去の CEDEC でも IGDA アカデミックセッションというセッション群が設定されたこともあったのですが、今回はそのときよりも講演内容をもっとしっかりコントロールしているイメージです