読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

2.5D のゲーム表現

ゲーム開発

昨日言及した MotionPortrait や、TVML などの表現を見ていてふと思ったのですが、2.5D の表現手法をもっと追求していくというのは面白い課題かもしれません。

これまで、物語性の強いゲームでは、2D のアドベンチャーゲーム方式か、3D の RPG の両極端のどちらかの形式しかありませんでした*1。2D で開発すれば素材の制作費は安く済むが映像表現としては劣り、3D で開発すれば芝居を自由にさせられるものの制作費が鰻登り、という棲み分けだったと思います。しかし、MotionPortrait のような新技術や、「ゆめりあ」に代表されるような 3D モデルのアニメ調の表現技術の発達により、動かない 2D とコストのかかる 3D の間の 2.5D という領域が生まれうるのではないか、と感じます。

すなわち、カメラの方向は基本的に固定で、背景もほぼ固定でありつつも、キャラクターはなめらかな動きで存在感のある芝居をする、という方向性の発展です。いままでの3Dタイトルがテレビドラマだとすれば、2.5Dタイトルは舞台といいますか。背景は書き割りで、観客は常に同じ方向からしか眺めることはできないけれども、そこにはそこならではの表現があります。同じように、2.5D も表現を突き詰めていけば、独特の表現形式を得ることができるのではないでしょうか。

3D にせずに 2.5D で止めることの利点は、なんといっても素材の作る量が少なくて済む、ということで。3D でカメラをぐりぐり回して、というタイトルでは、自然とシーンごとに背景モデルも別のを作らないと……とどんどん肥大化していってしまいます。しかし、基本は 2D アドベンチャーのシーン管理と同じだ、と割り切ってしまえば、背景モデルも書き割りっぽいものを使い回していくことになりますし、また、キャラクターのモーションも重要なシーン以外は、定型のモーションをスクリプトで割り当てるだけでも問題ないでしょう。重要なのは背景モデルではなく、そこで語られる物語ですので。ただ、会話の相手を見つめる、話しながら移動するなどの表現は、2.5D ならではの表現技法として追求していく価値があるように思います。

以前から、2D のアドベンチャーゲームで、キャラクターが常にこちらを向いていてお尻を向けないのは、舞台役者っぽいなぁ、などと他愛のないことを考えていたので、その連想でこんなことをふと思いついてみました。

コンシュマーのRPG系では、3D 表現に対する反動として、2.5D っぽいタイトルもいくつかあったような気もしますが、ここでの 2.5D は、あくまでもバストアップを多用する表現における 3D 的な時間方向の滑らかさの付与と、それによるキャラクターの動きへの説得力の付与について語っている、ということで。

*1:さらに区分すれば1D のテキストアドベンチャーというのもありますが