LL魂
Lightweight Language のイベント「LL魂」に行ってまいりました。毎年名前が違うという変なイベントです。前から興味はあったのですが、ようやく今年、初めて参加できました。
会場は神保町の日本教育会館一ツ橋ホールでした。プログラミング言語の有料イベント(3500円)で、900人近く入る会場がそれなりに埋まるというのがびっくりですね。LLのユーザ層の意識の高さというか、ハッカー気質への共感度が伺えます。
内容は、思っていたよりは普通でした(去年の映像のインパクトが強すぎたという話があり)が、充分に楽しむことができました。自分向けのメモを順不同に:
- 基調講演は和田先生でしたが、相変わらず味のあるお話でした。hacker とは自ら名乗るよりも他人からそう呼ばれるほうがよい、という hacker 辞典の言葉にはなるほどと感心。円盤と円盤で積分ができるというのにも驚きました。それにしても、楕円を書くコンパスの PostScript ファイルのソースが見てみたかったですね。(和田先生は PostScript をプログラミング言語として使いこなす hacker として有名です)
- Lua は少しアピールに失敗したかもしれませんね。Lua の唯一にして最大の特長はコンパクトである、ということなのですが、それがいかに重要か、というのが客席に伝わらなかったのではないかと思います。アプリにスクリプトエンジンを組み込む場合、メモリが非常に貴重な環境では、Python や Ruby は使用メモリ量が大きすぎて選択肢に入りません。それに比べて、Lua はスクリプトとしてサポートして欲しい機能を適切に備えつつも、コードもメモリ使用量もコンパクトで、移植性も高い(ANSI C で書かれ、トリッキーなコードも含まれていない)という、組み込みアプリに組み込み可能なオンリーワンのスクリプト言語なのです。Squirrel というライバルも出てきてはいますが、実績などを考えるとまだまだ Lua が強いですね。
- Io は面白い言語ですけれども、言語仕様の安定性や、そもそも利用者の学習コストを考えると、やはり製品に組み込むという用途では難しいですよね……。
- Xtal はゲーム組み込みが最初からターゲットになっているスクリプト言語です。GC で止まらないように設計され、Lua5.1 と同等の速さがあり、Luabind と同等のC/C++とのバインディング機能を有し、例外や名前付き引数など Lua よりモダンな言語機能も持っている素晴らしい言語です。しかし、C++ で書いているためかメモリ使用量が多めなのが玉に瑕。メモリ使用量削減は今後のテーマに。とりあえずは今年中に出るという1.0のリリースを楽しみに。
- プログラミング言語を作る: 独自のスクリプト言語を実際に作りながら方法を解説するページがあると始めて知りました。
- Coq が市民権を得つつあるかもしれない?という状況に戦慄。……hatena の自動トラバ機能でトラバが飛んでいってしまったようです。失礼しました orz
- 最近話題の http://ja.doukaku.org/ は素敵なサイトだと思います。