オンラインアドベンチャーゲームの実現例

コナミの「ときめきメモリアルOnline」は今月末でサービス終了ということで、現在無料プレイ期間です。終わってしまう前に、アドベンチャーゲームという観点でメモっておきます。

ときメモOnlineは、従来のコンシュマーの学校恋愛シミュレーションの雰囲気を残していることが特徴の MMO タイトルで、例えば各PCがバストショットの立ち絵を持っていて、それでチャットできたりもします。それ以外の点でも、従来の狩りに出て素材を集めて物を作って売る、といった MMORPG とは違う方向性を模索しているタイトルでした。

そんな中、埋もれたままでサービス終了されそうになっている挑戦の一つとして ドラマイベント というものがあります。

MMOG の一部としてのドラマイベントの機能は、パーティーで挑んで成功するとアイテムがもらえるイベント、であって、よくあるクエストのようなものですが、ここではそんな MMOG としてのゲームデザイン論がしたい訳ではありません。

ドラマイベント自体を切り出して見てみると、まさにマルチプレイヤーオンラインアドベンチャーゲームなのです。登場人物の何名かがスロットとして空いており、そこに複数のプレイヤーがそれぞれの配役として割り当てられてスタートします。ゲーム中は、割り当てられた登場人物の視点で普通にアドベンチャーゲームが進行しますが、ストーリーの展開は各プレイヤーが選んだ選択肢の組み合わせによって何パターンにも分岐します。

公式ページに紹介ムービーが上がっていますので、ご紹介しておきます。見た目は驚くほど普通の恋愛シミュレーションゲームっぽいのが分かると思います。
http://www.tokimemo-online.konami.jp/game/movie/drama_640.wmv

なお、設定としては、用意されたお芝居を楽しむ、というもので、ゲーム世界と独立した設定のお話ということで扱われます。プレイ中は参加者同士でチャットすることが可能ですが、選択肢を選ぶところではチャットが禁止されるようです。また、時間制限が設定されており、無反応のまま一定時間が経つと強制的に切断されます。

せっかくの無料期間ですので、NPC 相手に試しに何本か遊んでみたのですが、想像以上にきちんと分岐が用意されていてびっくりしました。シナリオによっては、10個くらい選択肢があるものもあるようです。各人の選択による結果の組み合わせを考えると分岐数は相当なものでしょう。このシナリオが3桁くらい用意されているようです。ゲームシステム的には3人以上のプレイも対応しているようですが、実際には男女1人ずつのものばかりのようですね。そうだとしても、正直、開発は非常にたいへんだったと思われます……。

オンラインでアドベンチャーゲームは可能か、という脳内シミュレーションをしたことがある人は結構居るのではないかと思いますが、その一つの実現例がここにあります。興味がある方は、プレイ機会が失われる前に、ぜひ試してみてください。